初めてのウォーハンマーFRP

xyuxuxi2007-11-04

結構前に遊んだ初めてのウォーハンマーFRPのプレイレポが書きかけだったのでとりあえず完成させてみた。プレイヤーは俺とらくだ屋ちんの二人。どっちがどっちかはまぁ見れば判る。

ヴァルデマー 人間男 キスレヴ蛮人
片言で喋る(はずだった)生粋のグッドHFO生命体。命より男の子のロマンを優先させる短命種族。出稼ぎ傭兵だったが、せっかくだから都会を見物してみよう的な理由で南を目指す。

カビンデナイ エルフ女 渉外使者
ルルーシュとミーアキャンベルとモモカンとフィリピン人妻を足した何か。奇形じみた巨乳と小賢しい口先とロングボウを武器にして、大商人の財産を目当てに各地で結婚離婚を繰り返す。「最初は愛があった」が口癖。


戦乱の傷痕生々しいミドンヘイムの廃墟にて、貴族の屋敷跡からなにやら黄金像をサルベージ成功して大喜びしている6人組の物乞い的カモを見かけたカビンデナイはおこぼれにありつき、あわよくば丸ごと掠めようと、点々と続く難民達の列から離れ、金の匂いに近づいた。そばにいたヴァルデマーも一緒に近づいた。近くでカモの歓声を聞きつけたチンピラ5人ほども近づいた。チンピラが黄金像を巻き上げようと威圧的オーラを放つと、カモ6匹が萎縮したので荒野の掟の守護者ヴァルデマーが間に入った。
「俺の田舎じゃ、他人の儲けを横取りするような奴はヒドイ目にあっても文句も言えねぇ」
いきり立つチンピラを尻目に、カモ6人の後ろに音もなく近づき唐突に囁きかけるカビンデナイ。
「数の上ではこちらが上。先手を取って叩きのめせば、奴らはここにいなかったことにできます」
見る見るうちにびびっているカモの内の黄金像を手にしている一人の目が変色。一方チンピラとの交渉が暗礁に乗り上げているどころか、僕は最初から陸上専用車両ですよ的な状況から母なる海へ帰ることを諦めたキスレヴ蛮人は愛用の斧を大きく振りかぶってプレイボールを宣言をした。
「概して未開人よりも、文明人の方が無礼といえる。なぜなら文明社会では、無礼の返礼に頭をぶち割られる心配はないからだッ!」
黄金像を持ったカモと共にカビンデナイも打席に立つと手早くチンピラ一匹の首を三遊間へナイバッチして、こちらの数が敵の倍であることを声高に主張し、カモ全員を死合へと扇動した。
「賽は振られた!もはや闘って勝つ以外に道はない!」「攻撃を一体に集中させろ!囲んで殴れば恐れるような敵ではない!」「敵の数はこちらの半分でーす!ザフ○のみなさーん!戦闘の終結を目指してがんばりましょーう!」「一人も逃がすな!仲間に事情を知られると厄介だ!」
しかし残った最後のチンピラが逃げ出した瞬間に歓声を上げて胴上げをするカモ達。PC二人で追撃するも本気で振り逃げに徹した相手はそうそう止められず。
「チッ!もう気を抜いたか!これだから素人は!」
カモに聞こえぬように毒づくエルフ。一方蛮人君は周囲からの視線を集めている事を気にしながら、一旦場所を移ることを提案。先ほどのチンピラ達は、昔この周辺を治めていた貴族の手の者であり、復讐されないか心配を始めるカモ6人。
「これだけの代物なら、近くの町まで辿り着けば捌ける知り合いがいる。山分けをしたらこの周辺を離れてしまえばいい」
と黄金像を鑑定したカビンデナイが提案。かくして即席血盟団を結成する男女8人。ちなみに鑑定の判定は失敗なので「高く売れそう」程度の事しか判らず。

町へ向かう道中にて唐突に豪雨に降られ、雨宿りでもしようかと思案した頃に近づいてくる蹄の音を聞き、慌てて瓦礫に隠れる一行。現れたのは全身武装の騎士と明らかに素人には見えない配下3人。こちらの半分の数だが、全員馬上であることを考えると、まともにやり合うのは危険だと判断し、息を潜める。追手も雨で足跡や音が判らぬながらこの周辺に当たりをつけた様子。我慢比べになるかと思ったが、逆方向で起きた物音を聞きつけ離れていく追手。その後コソコソとこちらへ近づいてくる小男の姿。オールドワールドを代表する典型的下層職業ねずみ捕りの男であった。男の様子から先程の物音がこいつの仕業であることを察したカビンデナイは、男を味方に引き込んで手近な下水道から町へのルートを案内させる為に買収した。

ロキと名乗るねずみ捕りの先導で、頼りない明かりを頼りに下水道を進む一行の前に現れた5匹の大ねずみを何とか欠員無しで排除すると、無事に夜の町へと辿り着いたその足で、カビンデナイと面識のあるエルフの商人(名前忘れた)の邸宅を訪ねた。下水の汚れと臭いを洗い落として一息つくと早速商談へと入る。商人は一週間程あれば800G程度で売れるだろうと言い、捌くまでの間を馬小屋に隠れて暮らすように言ったので、一行は言葉に従い潜伏しながら、敵に見つかった時の対応策を考えて過ごした。

換金完了の前日にロキが姿を眩ました。はっきりとした意図や企みは不明だが、目下最大の懸念である追手の騎士達への対応策を急ぐ必要に迫られた。とりあえず商人には換金を急いでもらうことにし、ヴァルデマーとカビンデナイは地図を広げながら町の門から商人の屋敷へ到る道の迎撃に適したポイントを探し待ち伏せをする算段を始めた。丁度近場の公園がジャストプレイスっつー事で、商人にショートボウを人数分揃えてもらうと全員で公園の木に登り、敵に備える。

やがて嬉しくない予想に反さずに徒党を組んで街道を走ってくる8騎の影。ちょっと多いなぁとは思ったが、なおさら先手を取るチャンスを逃すわけにはいかないと思い一斉射撃の号令をかける。しかし一斉に狙われた先頭の完全武装騎士の重装甲は一本の矢も通すことはなく、逆に騎士の号令によって一斉に早抜きで弓を撃ち始めたレンジャー部隊の攻撃であっさり2人脱落。明らかな戦力差を目の当たりにした瞬間、カビンデナイは即座に木から滑り降り一目散に逃げ出した。それに気付いた他の者も逃げようと木から下りるも、殆どが敵の剣と蹄で蹴散らされた。

単独で街路を逃げるカビンデナイの前に商人が現れ、経緯を尋ねるとカビンデナイは失敗を伝え、商人にも逃げるように忠告してその場を走り去ろうとした。が、目前に現れたのは姿をくらましたロキ。さらに足が止まったカビンデナイの脇を一本の矢が掠める。慌てて振り返るとそこには弓を構えた商人の姿。二人がグルであったことを告げ、さらに黄金像は実際には2000Gを超える値段で売れることを余裕たっぷりに話す商人。カビンデナイはそんな話が終わる前に脇道へ一目散に走りこむ。飛び道具で追撃されるも無傷で振り切り、一息つこうとした所で振り返ると、そこには馬に乗って長弓を構えながら追いかけてくる商人の姿。とりあえず馬が入ってこれない細道に走り込むが、逃げ続けても地の利が敵にある以上、一時凌ぎにしかならないことを悟り、射撃戦で討ち取る事を決意。

かくして始まった射撃戦で、先に痛打を叩き出したのは商人の矢であった。何とか致命傷は免れたが、明らかに不利を見て取って戦意の下がるカビンデナイ。それを見た商人が言い放つ。
「武器を落とし降伏して、私の言うことを聞くのであれば、命くらいは助けてやるぞ!」
「もうやめてGM!商人の信用はとっくに0よ!」
降伏勧告は即却下され、かくして再び始まる射撃戦。互いに向け連射されたイマジナリー2丁長弓の矢が互いの残影を縫い、影の軌跡が螺旋を描く超人演出バトルは次第に加速度を増し、遂に放たれた決定打はカビンデナイの手によるものだった。股間を撃ち抜かれた商人は、男としての生涯に終焉を迎えた代わりに、もっと別の何かとしての生が1ターン後に産声をあげることになった。
「お前は生まれてきてはいけない子なのよー!」
産声すら上げさせまいとMBN(もっと別の何か)に容赦なく射かけたカビンデナイの矢がMBNの手から長弓を叩き落すと流石に勝敗を悟ったMBNは背を向けて一目散に逃げ出した。できれば馬を奪いたかったが、射程外に逃げられた以上は深追いをせず、早急に町からの脱出を算段しながらカビンデナイは裏路地の奥へと姿を消した。

一方そのころ、ヴァルデマーも一度は敵の一団から逃げたものの、単騎で逃走者を探す騎士に見つかったところであった。細道へと走りこんでから振り返ると、馬から下りて後を追いかけてくる騎士の姿が。しばらく走り続け、どうやら諦めるつもりが無いと見て取ると、ヴァルデマーは立ち止まって愛用の斧を構えた。
「単独徒歩になってまで追ってきた執念や見事!正々堂々の決闘なればこのヴァルデマー、逃げも隠れもしない!」
「蛮人の盗人風情が生意気な!身の程も後悔も知らぬまま死ね!」

雄たけびを上げて突撃する両者の間にいくつもの火花と鮮血が乱れ、狭い路地裏に溜っていた冷気がわずか数秒で戦場の熱気に追い散らされた。3度に渡る痛打表を実力や根性以外の何か(ヒント:運)で凌いだヴァルデマーの渾身の一撃が遂には騎士の肘を捉え、利き腕の先が人体の骨格構造上ありえない方向へと捻じ曲がる。騎士はうめき声一つ上げずに、残った腕で剣を振るうが、その一撃を掻い潜ったヴァルデマーの斧が唸りをあげて脛当てごと足の骨を粉砕した。遂に膝を突き、苦痛に呻く騎士を見下ろしながらヴァルデマーは斧をしまい、踵を返す。
「なぜ止めを刺さん!愚弄するか!」
騎士はそれまでにも増して殺意を燃やし視線と言葉に込めたが、ヴァルデマーは振り返らずに一言
「いい戦いだった」
と告げるとそのまま歩き去る。勝者を追うのは敗者の無念の雄たけびだけであった。

「よく生きてたね旦那」
深夜。町から離れた暗い街道を南へ走るヴァルデマーは、声をかけられてようやく、そばの岩に腰掛け休息を取っていたカビンデナイに気が付いた。
「こんな暗闇で急いだって怪我するよ。あたしの目は真夜中でもちゃんと追っ手がいないことが確認できる。これ以上急ぐ必要は無いさ。それよりもさっきいいもん見つけたんだ、あと一晩あたしに付き合っておくれよ」

翌朝。無人の廃屋の片隅で眠っていたねずみ捕りのロキは目を覚ました直後、自分の目の前にいる人物を把握しきれなかったが、己が縛られていることに気付くとみるみる顔色が蒼白くなった。
「さて、取引の時間だ。あんたがあたし達を裏切って貰った物を丸ごと出してみなさいな」
カビンデナイの言葉に答えたロキの胸元に手を入れ、首から下がってる袋を引っ張るとヴァルデマーは中身を床にぶちまけた。散らばるいくばかの金貨と小さな宝石。
「つまらないな、これっぽっちかい。まぁお釣りくらいはくれてやるよ」
その言葉と共に二人の獲物が振り上げられる。最期に命乞いの言葉を吐き出そうとしたロキの口を、カビンデナイの手から滑らかに押し込まれた冷たい銀貨が塞いだ。
「渡し賃だ」

ここはオールドワールド。強き者も、弱き者も、正直者も、卑怯者も、全てが等しく死にゆく世界。



番外編-プレイ中発生した寝言-

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